アパマンショップ鷺沼店
林先生に学ぶ、賃貸募集の極意
以前、テレビで『今でしょ』の林先生が面白い話をしていました。
男女の出会いにおいて相手が恋愛対象となるかどうか、男女の違いを説明する林先生は黒板におおきな〇を描いて、「一目ぼれゾーン」「まぁアリゾーン」「生理的にムリゾーン」と分けていきました。
その番組では、一度でも「生理的にムリゾーン」に振り分けられてしまうと、女性の場合は二度とアリゾーン以上に浮上することがないため、男性はなにはともあれ「ムリゾーン」に放り込まれないように第一印象に気をつけろ、という話をしていました。
これって賃貸の部屋でも同じことが言えそうじゃないですか?
いやむしろ、物件の場合は人と人とのご縁よりもさらに接触する時間も短く、チャンスが少ないため、一層の努力と配慮が必要になるはずです。
物件が見えてきて近づいていく間の数分間、エントランスから玄関ドアまでの共用部を歩く数十秒、玄関ドアを開けた瞬間のほんの一瞬、ぜんぶ合わせても5分もないかもしれません。
選ばれない物件は、このわずか5分のあいだでお客様に「あ、これはナイな」と「ムリゾーン」に仕分けされているんですね。
「生理的にムリ」なら、いくらスペックが高くて、理屈では申し分のない物件だったとしてもお客様に選ばれることはありません。
では、いったいどういう物件が「生理的にムリゾーン」行きになってしまうのか?
第一印象は"清潔感"がすべて
「生理的にムリゾーン」へ直行にならないために気を付けるべきこと、これも答えは単純明快です。
"清潔感"のない物件はムリ
ってことです。
よく言われますよね、女性は清潔感のない男がムリです。
清潔感のない物件というのはこんな感じの物件です。
【外観】
・塗装が剥げてくすんだ印象
・雨のしたたった跡が茶色く残っている
【共用部】
・エントランスにDMが散乱している
・Gやセミなどの虫の屍骸がそのままになっている
・蜘蛛の巣が張っている
【玄関】
・ドアの塗装が剥げている
・ドアを開けた瞬間に下水の臭いがする
・埃だらけ
記憶をたどればいくらでも出てきます(笑)
案内をしながら、お客様のトーンがどんどん下がっていくのを感じるわけです。私も「こりゃないな」と思います。
ぼろぼろのドロドロの現場を見せながら、営業マンがいくら「引き渡しまでにはきれいになりますから」と説明したって無駄なんです。
難しいことはありません。
退去したらお部屋を簡単にホウキで掃いたり、クイックルワイパーで埃を取る。エントランスのDMは処分する。ときどき窓を開けて空気の入れ替えをする。トイレや洗濯パンの水が干上がると下水の匂いがあがってきてとても臭うので、水を足したり、ラップを張って蒸発を防ぐ。
業者に頼まなくてもお金をかけずにやれることが多いと思います。
お客様は「清潔感」を通して無意識のうちに「この物件はちゃんと手が入っているかどうか」ということまで感じ取っているんだと思います。つまり、安心して入居できるかどうかということにつながっています。
"一目ぼれ"されるにはセンスも必要
色とりどりの壁紙や柄付きのクロスに張り替えて「リフォームしました!」というのもいいですが、決して色がついた壁紙にすればOKという単純なものでもありません。
時々、「え!オーナーさん、どうしちゃったの!?」とこっちが動揺してしまうほど奇抜なデザインのクロスや床に張り替えられている部屋を見ます。
余談ですが、以前見たすごいトイレの話です。
左右の壁も奥も天井も、トイレの全面がすべて赤・黄・青・緑のローマ字の筆記体がびっしり描かれたデザインの壁紙が貼られていたんです。こんな耳なし芳一みたいな個室に閉じ込められたらと思うとゾッとします。
私もトイレがそんなことになっているなんて知らずに案内したのですが、お連れしたお客様がトイレのドアを開けたときに小さな悲鳴を上げていたのを聞きました。
立地もよく賃料のわりに広いし、いい感じの物件でしたが、案の定その物件が選ばれることはありませんでした。後日聞いたところによると、結局いちど貼った筆記体の壁紙はすべて剥がして貼りなおしたらすぐに申し込みが入ったそうです。
"凝った"リフォームはセンスが求められるので、リフォームに不慣れなオーナー様がチョイスしてしまうと大失敗になりかねません。オーナー様が自ら選んだものとなると業者も管理会社もなかなか「オーナー様、これはないですよー」とは言えないものです(笑)
オーナー様がまず考えるべきは、
1.生理的にムリゾーン入りを回避すること
最低限をクリアしたうえで次を目指しましょう。
2.まぁアリゾーンの中で上位を目指すこと
背伸びしていきなりハイセンスのものに挑戦せず、「清潔感を演出できてるかな?」という観点でみていくといいと思います。ぜひ普段懇意にしている不動産会社さんに相談して協力してもらいましょう。
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